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「クリエイティブブリーフ」って何?中小企業のリアルなブランディング実例を公開します

2021/05/25

「クリエイティブブリーフ」って何?中小企業のリアルなブランディング実例を公開します

クリエイティブブリーフってそもそも何?

 

それは中小企業広報、広告の設計図です。

 

 

【中小企業ブランディングの成功事例を解説します】

 

クリエイティブブリーフとは、主に広告業界で使われる1枚の資料です。

テレビCMやホームページ制作、各種セールスプロモーションを実施する際に、

その制作過程でディレクターやコピーライター、デザイナー、カメラマン、営業担当、

クライアントなど関わる人たちで共有するドキュメントで、

成果物が目的に沿ったものに仕上がるための設計図の様なものです。

 

記載する内容は、広告やプロモーション自体のそもそもの目的、

必要とされる媒体、顧客周辺の3C分析資料、エンドユーザーの情報、そのインサイト情報、

エンドユーザーと顧客や顧客商品との間にあるコミュニケーション課題、

そしてその課題を解決するための表現コンセプト、またそのコンセプトの理由、

広告予算、広告後にどんな変化をもたらせたいか、

 

クリエィティブブリーフの無地サンプルはこちら

 

 

トーン&マナー(イメージや雰囲気)はどんな感じか、

等々を基本的には1枚の資料としてまとめます。

デザインワークや各種のクリエイティブを作る前の土台の様なもので、

各クリエイターはこの土台を基にどれくらいジャンプできるか、という考えで作業を進めていきます。

では、このクリエイティブブリーフを、中小企業で活用した成功事例をご紹介していきます。

 

 

基本はヒアリング!企業戦略、マーケティング戦略、ビジョン、課題など傾聴します!

 

T社様のリアルな事例を基に、どんな作り方、どんな進め方をしたのか?

その過程でどの様な工夫をしてどんな変化が起こったのか?具体的に説明します

(T社様のご厚意により公開しています。)

 

まずは経営者へのインタビューから始めました。

以下の内容がそのクリエイティブブリーフです。

 

 

①必要とされるもの

この時のクライアントの課題は、自社のWEBサイトを何とかしたい。

自社ブランドはしっかりと育ちつつあるものの、企業のオフィシャルサイトを改良したい。

といったご相談でした。

 

②ご提案可能なもの

この仕事の時は、社内向けのインナーブランディングの課題も経営者から聞いてました。

90年と長い歴史をお持ちの会社で、新しく変わって行く時にどう古参の社員さんを巻き込んでいくか?

そういった課題も聞いてましたので、私たちのご提案は古参の社員さんに取材や撮影時に登場してもらうというものでした。

表に出たくない方もいらっしゃいますので、ご自身の仕事のこだわりという部分でヒアリングの実施や、また手元の撮影等ご提案しました。

 

手元の撮影

 

撮影風景

 

③3C分析 

自社の状況、競合の状況、顧客の情報などクライアントが持っている情報、

こちらで調べる情報を基に客観的に今置かれている状況を分析します。

 

ここの打合せで、顧問税理士や経営コンサルタントの先生が入ってもらえると、

よりマーケティング的見解や広報、PR戦略、イノベーションの視点でアドバイスもらえるので顧客のビジョン達成に向けた相乗効果を発揮すると思います。

今回のお仕事の場合は、主にヒアリングやクライアントから提示してもらった情報をベースに進めました。

 

④ターゲットの定義

中小企業のオフィシャルサイトなのでターゲットを1つに絞るのは実際には難しいです。

新規取引をしたいバイヤーの事を中心に考えましたが、

ブランドファンのエンドユーザーも閲覧するでしょうし、

リクルート学生や中途転職希望者も見るでしょう。

 

そういった意味では、企業のオフィシャルサイト制作案件で、

ある一定商材やプロモーション制作時によく使われるブリーフィングシートはそもそもフィットしないのかも知れませんが、

それでも制作者が多岐に渡る案件では作っておく方が結果的にスムーズに進みますし、

この案件の時も実際にそうなりました。

 

⑤ターゲットインサイト

実はここが一番難しいです。なぜかと言うと、中小企業の販売促進やプロモーションの場合、

マーケティング調査に予算をかけられない場合はほとんどだからです。

 

大手企業の定番商品であれば、ユーザー情報やインサイトについての情報が沢山あり、

ディレクターやデザイナー、プランナー、マーケティング担当、デジタルクリエイティブの担当等がその情報を基にブレストする事もあるかと思いますが、

中小企業の場合、そこまでの取り組みは少ないのが現実です。

 

そうなるとエンドユーザーの情報は、顧客が持っている声、インターネットでの情報収集、

定量調査は出来ないので定性調査による仮説等々となります。

今回の場合も上記の組み合わせで「仮説」を立てて進めていきました。

 

⑥課題設定

エンドユーザーとクラインとの間にあるコミュニケーション課題です。

この課題設定をどこに置くかがポイントとなります。この案件の時は「既にある2つの商品ブランドイメージと企業イメージの乖離、また海外バイヤーとの取引を見越した企業イメージの醸成と信頼性」という点を課題としました。

 

⑦課題解決コンセプト

今回の場合は「T社のモノ作りや素材や製造方法にこだわり、またそれを90年続けているこだわり、

ホンモノへのこだわりを持った会社」というコンセプトにし、

これを海外展開も考えて「REAL」というコンセプトにしました。

 

コンセプトイメージ

 

⑧エンドユーザーに求める変化

今回のオフィシャルサイト制作、公開後に、そのWEBサイトに訪れたユーザーが、

いろんなページを閲覧し最後に「あ、ホンモノを作っているんだな、商品もホンモノなんだな」

と思ってもらうこと、これがゴールです。

 

⑨よく「トンマナ」と言われるトーンアンドマナー、

デザインテイストですが、雑誌で言うと〇〇〇、抽象的な言葉で言うと「高級感」「落ち着いた感じ」「シックな色使い」などであり、顧客の要望も聞きながら情報共有していきます。

 

実際の制作現場、撮影、取材、打合せはこんな感じ!

 

クリエイティブブリーフの内容について顧客との間で合意されると、

次にラフデザイン案の制作になります。今回の仕事では次の様な企画書を提案しました。

WEBサイトの制作になりますので、サイトマップ、またスケジュールについても提出します。

 

同時に撮影カメラマン、取材のライター、コピーライター、デザイナー、

コーディング担当者等制作チームともクリエイティブブリーフで全ての情報を共有します。

ラフデザインとスケジュール感について確認してもらった後、

このお仕事の場合は動画用映像撮影と写真撮影をました。

 

また特別だったのはロケで神社での撮影です。

実はこのT社の経営者は実家が神社を所有されていて、古い書記にも出てくるような家柄で、

神社を所有しているオーナーという事で海外展開する際に差別化になるかと思い、

その神社で撮影したシーンをWEBサイト内に入れる事にしました。

 

 

企業のフィロソフィを伝えるページにそのビジュアルを入れて、

他社との差別化やブランディングを進めて行きました。

 

今回の事例の様に、地方の中小企業ブランディングの場合は、

その土地で長く事業をされている場合は地域の魅力も含めてブランド化していく場合もあります。

イタリアの老舗高級靴メーカーのパンフレットに、その会社のある雰囲気の良い街並みの写真が写っていると、

何となく印象も良くなる事があると思います。

そういった伝え方です。事前に神社にロケハンに行き、撮影スポットで仮の撮影をしておき、

本番の撮影の際に経営者の方に現地に来てもらい撮りました。

 

 

ロケハン画像

 

 

カメラマンも、

事前のクリエイティブブリーフでその目的や伝えるべきメッセージを明確に理解してくれているので、

現場でいろんなリクエストをしてくれます。

結果的に当初撮影ラフとして考えていたものと、全く違うアングル、

撮り方の写真が現場で生まれてそれを採用しました。

こういった「クリエイティブジャンプ」もブリーフィングシートがあればこそ、

ブレずに効果的に起こります。

 

撮影とは別で、WEBサイトに掲載するコピーを起こすための取材を実施しました。

この取材は、ただ単純にホームページに掲載するキャッチコピーやボディコピー、

原稿を作るための目的ではなく、社員さんに取材をすることでモチベーション向上、

新ブランド構築への巻き込みといったインナーブランディングも目的として実施しました。

 

 

社員イメージ

 

 

撮影と取材が終了後、沢山撮った写真の中からベストなものを選んでいき、

取材したテキスト原稿も入れながらデザインワークを進めていきます。

この作業が終われば、あとはクライアントと確認打合せを数回しながらデザインを仕上げていきます。

 

中小企業ブランディングで、結果的にどんな成果が生まれるか?成功事例とは

 

一連の取材や撮影、デザインワークやコーディングが終わったら、

いよいよWEBサイトの公開です。

今回のお仕事では顧客のマーケティング戦略を理解した上で、

動画撮影、写真撮影、取材、コピー制作、デザイン制作と進めていく取組みでした。

 

その結果どうなったか?

 

しかし、まず経営者や社員さんの意識が変わります。

社内外から評価の声が出てきました。また新規の取引先から問合せが来ることもあります。

また求職者向けのメッセージとしても成果をあげます。

T社さん以外の事例では、今まで問合せがなかった様な優良企業から問合せが入った、

経営者自身のモチベーションが上がって積極的になり出した、

求人面接の際に求職者がホームページ掲載の内容に共感して来ました、という声があります。

 

その様になってくると、制作にかかる費用は、損益計算書の広告宣伝費扱いではなく、

減価償却費として長期で償却する資産と考えられます。

私たちは、中小企業ブランディングにおいては資産となる様な仕事をする様にいつも心掛けています。

 

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筆者紹介

吉岡寛人

古民家クリエイティブオフィスZen代表。 プロデューサーとして動く事が多く、中小企業の経営課題を理解しながら、経営的視点でのコンセプト立案や各種クリエイティブ提案を得意としています。中小企業や公共団体、大手鉄道会社等の販促企画・広報・集客実績多数あり。 日本経営士会認定経営士