2021.05.29
【ブランディング、採用サイト、YOUTUBE動画でいい人材を採用する方法】
2021/07/27
今回事例としてご紹介するのはある運送会社さんの事例です。
この会社さんの場合は経営者への取材とヒアリングからスタートしました。
要望は「とにかくクールなデザインでかっこいいものを制作してほしい!」というものでした。
しかし、いきなりデザインはしません。まずはじっくりヒアリングです。
どうしてカレンダーを作るのか?そもそもそれが必要なのか?
また自社のPRしたい場合、今は何が課題になっているのか?
このカレンダーは誰が持って行くのか?送るのか?
オリジナルデザインである必要があるのか?
制作期間や希望納期、またカレンダーを配る従業員さんは、どう思っているのか?など、
一見カレンダー制作とは関係なさそうな事も、いろいろとヒアリングをします。
なぜなら、あくまでの大きな経営方針や経営戦略といった大きな概念があって、
その中の一部分の営業戦略や広報戦略としてのカレンダー配布という位置づけである事が多いので、
方針等の大きな概念を理解しておかないと、出来上がったデザインのオリジナル性が高くても、
方向性や企業メッセージがブレるからです。
この運送会社さんの場合は、経営も順調で社内のコミュニケーションも良くそれ程大きな課題は抱えていませんでした。
しかし、毎年作るカレンダーに対して、それを配布する従業員さんがただ与えられる営業ツール、
という認識でインナーブランディングには繋がっていないという課題がありました。
そこで私たちがご提案したのは、12か月、毎月各トラックやトラックのパーツ等を掲載して、
各従業員さんの「仕事の流儀」を各月キャッチコピーとして掲載する。といった企画でした。
従業員さんの中には、撮影を嫌がったり表に出たくないという方もいらっしゃいます。
しかし、皆さんそれぞれ仕事へのこだわりや「自分なりの仕事の流儀」みたいなものは持っておられます。
例えばトラックドライバーさんでしたら、出発前のルーティンの行動や、
車のメンテナンスをする際の車に対する想いや行動などです。
これらを簡単なヒアリングシートに記入いただき、若干リライトしてキャッチコピーとして、毎月のカレンダーが一枚一枚の「仕事の流儀ポスター」となる様な仕掛けをしました。
その結果、この運送会社さんはどんなこだわりを持った会社か、
どんな想いでモノを運んでくれているのか?が顧客にも伝わりますし、
またカレンダーを顧客に配布したりトラックの運転席に貼ったりする従業員さんも、
俄然モチベーションが上がります。
「運送会社A社の全社的な経営理念に基づいて、ドライバー毎の仕事の流儀を掲載する」という軸(コンセプト的なもの)が決まれば、
あとは各月、それぞれ一枚ずつデザインしていきます。
12か月分のデザインと表紙のデザインです。
この仕事の際は、トラック写真は顧客より支給でしたが、撮影から入る場合もあります。
カスタマイズしているパーツをアップでトリミングしたり、撮影角度を変えたり、
夜にライトを点灯させて撮影したりビジュアルに変化を持たせつつ、
全体の企業イメージ(トーン&マナー)は統一させます。
ラフデザイン案の段階で、従業員さんにも見てもらい、
意見を取り入れてブラッシュアップする場合もあります。
印刷や加工も様々なパターンが可能です。
オリジナルデザインでオリジナルのカレンダー制作ですので、紙も自由に選べます。
光沢のある紙やマット調の紙、あえて書き込みがしやすい上質紙系で作る場合もあります。
領収書等を差し込めるポケット付きメモルダータイプや、
タンザック製本で壁掛けタイプ、厚紙を活用して組み立て卓上式に仕上げたり、
要望に合わせてオリジナルのものをオーダーメイドで作っていきます。
この運送会社さんの場合、B3サイズ、コート紙135㎏、フルカラー印刷、
タンザック製本壁掛けタイプ、OPP袋封入、といった仕様のカレンダーとなりました。
ただ、これだけではコンセプトやメッセージは伝わりきりません。
そこでカレンダーを丸めてOPP袋に入れる際に、
同封する企業ブランディングツール(チラシ)を作りました。
この企業ブランディングツールを入れる事で、何を渡すか?だけではなく、
なぜ?こういったデザインにしたのか?私たちは何を信条として仕事をしていて、
何をメッセージとして伝えたいのか?がハッキリします。
それに対して共感をより多く生む事で捨てられにくいカレンダーとなるのです。
以上、今回はある運送会社さんのカレンダー制作を実績に基づいてご説明しました。
ここまでお読み頂いた方、ありがとうございます。
しかし、カレンダーを年末に配る文化って、他の国でもあるのでしょうか?
僕らの所にも、いろんな仕入先さんから大量のカレンダーを頂きます。
頂いたカレンダーは、オフィスの奥に積み上がり、年末に全社員が気に入ったものを持って帰る。
そんな流れが毎年あります。
そして、全員が年末お疲れ様でした!とお正月休みに入ったあと、ああ!まだ部屋の片隅に残っているカレンダーがいくつかあるではありませんか!
この残されたカレンダー達は、誰からも告白されず、部屋の隅で年を越すのですね。
場合によってはゴミ箱に捨てられる!あまりに悲しいではありませんか!
日本全国の、もったいないカレンダーを無くしたいと思います!
課題をお持ちの方はご相談ください。
吉岡寛人
古民家クリエイティブオフィスZen代表。 プロデューサーとして動く事が多く、中小企業の経営課題を理解しながら、経営的視点でのコンセプト立案や各種クリエイティブ提案を得意としています。中小企業や公共団体、大手鉄道会社等の販促企画・広報・集客実績多数あり。 日本経営士会認定経営士