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観光・歴史資源をバーチャル化!VR参拝も⁉3DCGコンテンツ制作を解説!

2021/07/30

観光・歴史資源をバーチャル化!VR参拝も⁉3DCGコンテンツ制作を解説!

VRコンテンツでバーチャル化!

3DCGと実写を融合させた映像も製作!日本の歴史・観光資源を魅力的コンテンツとしてPR。

奈良県御所市「一言主神社」の雄略天皇像銅像の価値や魅力を伝える制作過程を解説!

 

1 観光、歴史分野で神社銅像を3DコンテンツにしてPRしました。

 

 

奈良県御所市という所にある神社「一言主神社」さんに雄略天皇像という銅像があります。

この観光資源ともいえる銅像をバーチャル化しよう!という取り組みがありました。

 

「一言主神社 雄略天皇像 3Dモデリング」

https://sketchfab.com/3d-models/69e069fe1abf424583fdbf72667f3427

 

元々はこの一言主神社さんから、

WEBサイトを制作したいのでお願いしたいという

ご相談あったのですが、

更にその魅力や価値を伝えるためにVRコンテンツを作る事になりました。

 

撮影してモデリングしたデータをベースに、

3DCGと実写を融合させた映像も製作し、

今までは伝わっていなかった人にも、その価値や魅力を伝える取り組みとなりました。

 

VR参拝!とまでは行きませんが、

より神社や雄略天皇像、また日本の歴史に興味を

持ってもらいたいと思っています。

 

まずはWEB等でこのコンテンツを通じて興味を持ってもらい、

現地に足を運びたくなる人々をいかに多く創る事ができるか?

今後、この目的にコミットして行きたいと考えております。一言主神社WEBサイトのイメージ

 

2 そもそも、なぜ観光VRコンテンツを作るのか?

 

では、そもそも私たちはなぜ?この事業に取り組むのでしょうか?

答えは、「地方創生」と「日本の魅力を世界に発信するため」です。

もちろん、30数名の従業員を抱えて事業をしている会社ですので、

ビジネスの側面もあります。

 

しかし、私たちの会社だけでなく、

社会視点や長期視点で考えた時に、私たち日本人は大きな課題を抱えています。

 

少子高齢化と人口減少、それに伴う国内マーケットの縮小、

地方経済全体の衰退といった課題です。

 

この課題を解決するために、一事業者として私たち出来ること。

それが「地方創生」と「日本の魅力を世界に発信」なのです。

地方創生と言った時に、大きな資本もないため、大それた事は出来ないかも知れません。

 

しかし、中小企業だからこそ出来る、ローカルマーケットでのフットワークやコネクション、

またコスト面でのメリットもあります。

 

例えば奈良県にはこの一言主神社さんの様に、

知る人ぞ知る、でも日本書紀にも登場する歴史的価値の高い資源、

観光資源が多数あります。

 

これらのリソースをバーチャル化、

VR化してより多くの人にその細部の魅力も伝え足を運んで頂きます。

 

今はコロナ禍で外国人は少ないですが、

日本だけでなく世界の方にも堪能して頂き、

日本の地方コンテンツで海外のお金が落ちる様な仕事をしていく。

 

多数の観光リソースがあるため、高コストだと出来ません。

そこで私たちが低コストでフットワークよく動き、

しかし魅力的な制作物やサービスを提供します。

 

案件自体は「点」ですが、やがて点が増えれば「面」となって日本の地方創生の一助となれる。

そう信じているのです。

 

 

観光地のイメージ

 

 

ではなぜバーチャルなのか?

VRやMRなのか?3DCGのコンテンツなのか?

この問いには、「やる所がないから」と答えます。

 

日本の地方には中小企業も含めて魅力が多数あるにも関わらず、

また今後ホロレンズ2やオキュラスクエストに次ぐVR、

MRデバイスが市場に出回るであろう状況にも関わらず、

地方でコンテンツ制作できるプレイヤーがいないのです。

 

都心部中心に大手企業や公予算で、

高精度なコンテンツを作るVR制作や3DCG制作会社は、

おそらく数万円~数十万円といった価格帯のニーズがある地方には、

しばらくは出てこないと思われます。

(一般人が簡易で作れる簡易プラットフォームは出来るかも知れませんが)

 

そういった環境の中で、でも日本の「地方創生」や「日本をブランディングする」という大義に対しては、

やはり専門的なクオリティが必要だと考えます。

 

社会の課題となっていくであろう領域で、

かつ私たちが情熱を持って取り組むことでその課題が解決に少しずつでも向かう事、

かつ事業としての持続可能性を持たせる意味でもビジネス的なニーズがある分野、

それが「観光・歴史資源をバーチャル化」「3DCGコンテンツ制作」なのです。

私たちが、この事業を進めていく「動機」の部分です。

 

 

 

3 何をバーチャル化するのか?3Dコンテンツ制作に何が向いているか?

 

では、何をバーチャル化するのがいいのか?日本の地方、

という領域で何を3DCGなり360度コンテンツにするとメリットがあるのか?

答えは、市場としてもまだ手探り段階なのだと思います。

 

例えば大手の車産業では高級車をVRやMRで体験できるサービスが始まっており、

大手百貨店等でもバーチャルショッピングモールがローンチされ出したり、

建築現場や危険な作業現場でのVRシュミレーション等も具体的に活用され出したりしている様です。

 

一方で、ローカルや中小企業ではどうか?というと未だ未だ市場もニーズもこれから、

といった状況かと思います。

 

僕たちがまず貢献しようとしている領域の「観光」「ツーリズム市場」があるのですが、

「観光」関連のVR制作についてこんなエピソードがあります。

 

奈良県御所市、一言主神社さん雄略天皇像のVRコンテンツ制作、

モデリング、3DCG映像制作、の撮影時に体験した出来事です。

 

制作会社である僕たち数名が、雄略天皇像の周りで撮影をしている時、

5人程で神社を参拝に訪れた女性観光客がいました。日本人です。

 

彼女たちが、もの珍しそうに、僕たちの方を見ながらも雄略天皇像の周りをグルっと一周して、

そのまま立ち去ろうとしました。

その時、僕たちのスタッフの中で歴史に詳しい人間がいたので、

その5名の観光客に1分程、雄略天皇像やこの神社の歴史について説明したのです。

 

そうしたら、この5人はしきりに感心して、感嘆の声を上げていました。

もしこのスタッフの説明がなければ素通りに近かったのが、

ちょっとした歴史的な説明を加えた事により、彼女たちのモノの見方が変わり、

新たな知識にもなり、また旅の楽しみも少しは増えたはずです。

 

 

雄略天皇像と説明看板の写真

 

 

このスタッフが、この場所に常駐する事は出来ませんが、

この先ホロレンズ2やオキュラスクエストの様なデバイスがどんどん小さく軽く低コストになり、

現在のスマホの様に市場に大きく普及した時に、

現実世界を拡張して説明してくれるキャラクター等が視界に現れる事で、

歴史的な学びになったり、旅行や観光が味わい深くなるのです。

 

そして、この様な地方の小さなコンテンツを小回りよく低コストで、

かつプロのクオリティで作れる事こそが日本の地方ブランディングなっていくのだと思います。

 

もう1つあります。

この一言主神社さんの駐車場から歩いて参拝しようと思うと、途中に階段があります。

撮影打合せの時に、老夫婦が参拝に来られていました。

足がわるい様な印象で、

ご夫婦で支え合う様にして階段をちょうど降りられている所をすれ違いました。

 

一言主神社さんは、車で階段の上の方までつけて参拝できる様にはなっていますが、

この時に感じたのがVR参拝、バーチャル参拝の可能性でした。

 

今はコロナ禍で若い方でも、旅行に行きたくても行きにくい状態が続いています。

コロナが収束すれば、人はまた動き出し、観光市場も活況になるとは思います。

 

しかし、年配の方でどうしても参拝できない方や、

施設に入っているため自由に動けない方も多いと思います。

そういった方でも、バーチャル参拝ができたり、

VRで現地の様子を体感出来たりすることで、心が元気になる事もあるかと思います。

 

そういった人を元気づけたり、悲しみを喜びに変えたりする可能性が、

このバーチャルコンテンツにはあると思います。

 

 

4 では、360度撮影やVRコンテンツはどうやって作るのか?

 

具体的に「雄略天皇像」コンテンツを作った時の、作り方をご説明します。

 

まずは宮司さんに、そもそも作る目的やどんな仕上がりにしたいかなど詳しくヒアリングします。

要件を整理した後で、撮影・制作・デザイン、そしてディレクションとチームを組みます。

 

今回の場合は、まず大筋の進め方や仕上がりイメージなどを確定させた後に、

業務用3Dレーザースキャナーとドローン、一眼レフカメラ等で撮影をしました。

 

3Dレーザースキャナーでは数カ所からターゲットにレーザーを当てスキャニングします。

高品質なカラー3次元点群データとHDR画像の生成を、短時間で完了させます。

 

そして細部の再現性を担保するために一眼レフカメラでもターゲットを撮影。

これを約半日で終わらせます。

 

 

一眼レフとドローンによる撮影風景

 

 

その後、点群データやカメラ撮影データを基に、

モデルを作っていき3DCGの精度を上げていきます。

 

同時に、今回は広報用のCM、3DCG映像も作るので、

その映像のシナリオや絵コンテを制作します。

 

映像の方はこのシナリオに沿って、ナレーション原稿(コピーライティング)も作っていきます。

ナレーションは声優さんに依頼し、仕上がった3DCGと撮影データ、

音源とナレーション等を組合せ、広報用映像(CM)を作っていきました。

 

 

CM動画編集画面

 

 

5 気になる予算はどのくらいか?なぜその値決めなのか?

 

ではこの仕事、予算はいくらで仕上げたでしょうか?答えは240,000円(税別)です。

これはとてもリーズナブルだと思います。

 

市場の価格は、この倍から3倍以上、下手したら3桁になるのではないでしょうか?

私たちはどうしてこの値決めにしたのか?それをお伝えしたいと思います。

 

まずは標準原価(アワーコスト)です。

ほとんどが人が動く、または制作する工数によります。

僕たちはアワーコスト4,000円で計算しています。

 

例えば10時間工数がかかる場合は40,000円。20時間の場合80,000円、といった見積です。

ディレクション等の費用は少しまた別になりますが、

撮影、モデル化、映像化などをこの見積りでやって行こうと思っています。

 

この価格にしている理由はもう1つ。

それは私たちの動機の部分です。

 

中小企業や自治体、各種団体が決裁しやすい価格帯にすること。

これもVRやヴァーチャル領域での地方ブランディングが進んでいく大切な要素だと思います。

 

今はとにかく、一つでも多くの観光や歴史資源をバーチャル化し、

寺社であればVR参拝が出来る様なイメージまで近づけたり、

3DCGコンテンツ制作を多数作り、

この事業を拡げていきより多く貢献したいと考えているため、この価格で進めています。

 

 

 

6 あらためて私たちが実現したい事は何か?日本の魅力を世界に発信!

 

 

雄略天皇像の写真

 

 

私たちが実現したいこと、それはバーチャルNARAです。

バーチャルコンテンツを点で多数作り、それらを集めたバーチャルニッポン、

バーチャルNARAをオープンさせたいと考えています。

 

現在もVRチャット等バーチャル空間に、

イベント時などは数十万人のアバターが世界各国から集まる様です。

 

この世界がどこまで拡がるかは分かりませんが、

市場としては拡大傾向だと思います。

 

一方で冒頭書きました様に、日本は人口減少、

それに伴う国内マーケット縮小がこの先予測されます。

 

この日本において、活路を見いだすためには、

観光、ツーリズム市場に日本の価値を売って行く、

より多くの外国人観光客をリアルでもバーチャルでも誘致し、

ツーリズム市場で経済を活性化させる、

 

または地方の中小企業の魅力的商品を3Dやバーチャルでより魅力的に伝え、

そのままバーチャル空間でモノが売れるコンテンツを作る。

 

これが僕たちが実現したい世界です。

 

とまあ、ここまで書きましたが、そういった場が作れるまでに少し時間がかかりそうです。

長い道のりかも知れません。

 

でも、その方向に向かっていくので、小さなコンテンツでもいいので、

一歩ずつ作り続けて行こうと思っています。

http://www.hitokotonushi.or.jp/

 

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筆者紹介

吉岡寛人

古民家クリエイティブオフィスZen代表。 プロデューサーとして動く事が多く、中小企業の経営課題を理解しながら、経営的視点でのコンセプト立案や各種クリエイティブ提案を得意としています。中小企業や公共団体、大手鉄道会社等の販促企画・広報・集客実績多数あり。 日本経営士会認定経営士